『スコッチウイスキー』。
ウイスキーを飲む方であれば、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
スコッチウイスキーとは、スコットランドで作られたウイスキーのことで、世界5大ウイスキーのうちのひとつです。
ウイスキーと言えばスコッチと言われることもあるほど、ウイスキーを語る上で外せない種類とも言えます。
この記事では、スコッチウイスキーの産地や特長、味わいについて解説していきたいと思います!
それでは、早速いってみましょー(>w<)b
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スコッチウイスキーの産地と味わいの特長
スコッチウイスキーの味わいの特長は、スモーキーであることが有名ですが、実は産地によって大きな違いがあるんです。
まずは、スコッチウイスキーの産地についてご紹介しますね。
スコッチウイスキーの産地
スコッチウイスキーの産地は6つあります。
- アイランズ
- スペイサイド
- アイラ
- キャンベルタウン
- ハイランド
- ローランド
大麦の麦芽から作ったウイスキーのことをモルトウイスキーと言い、略して「モルト」と言います。
そして、それぞれの産地のウイスキーは、「産地名」+「モルト」で呼ばれています。
たとえば、アイランズのウイスキーは「アイランズ・モルト」という感じですね。
それでは、産地ごとのウイスキーの特長を詳しくみていきましょう!
【産地1】アイランズ・モルト
スカイ島やオークニー諸島など、アイラ島を除いたスコットランドの島をひとつにまとめた地域を、アイランズと言います。
(オークニー諸島、ルイス島、スカイ島、マル島、ジュラ島、アラン島)
以下の写真は、スカイ島のウイスキーです。
アイランズのなかでもオークニー諸島は観光地としても有名で、「スタンディング・ストーンズ・オブ・ステネス」や「リング・オブ・ブロッガー」など、数多くの世界遺産が存在します。
遺跡と動物の宝庫とも言われていて、豊かな自然を見れるとあって、たくさんのツアーがあり、とても人気があるそうです。
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スタンディング・ストーンズ・オブ・ステネス
出展:wikipedia
それぞれの島に蒸留所があり、一つひとつの島の蒸留所には、特長的な個性があります。
どの島にも個性がありますので、味の特長をひとくくりにはできないのですが、「スパイシーでいて、潮の風味(塩気)を感じられる」ものが多いのが大まかな特長です。
スカイ島ではタリスカーが、オークニー諸島ではハイランドパークが作られているのが有名ですね。
島や海に近い場所で作られるウイスキーは、潮っぽい(塩気がある)味になると言われることもありますが、アラン島で作られるアランモルトは、潮っぽさを感じさせない穏やかな味わいであったりと、まさに多種多様な仕上がりになっています。
アイランズ・モルトは、主な銘柄に絞ると7つに分けられます。
そこまで多い数ではないので、アイランズ・モルトというくくりで見るのではなく、一つひとつの蒸留所や銘柄ごとに注目をすると面白いですよ。
【産地2】スペイサイド・モルト
スペイ川という大きな川を中心に50以上もの蒸留所が存在する、スコットランド最大のウイスキー生産エリアです。
スペイサイド・モルトはもともとハイランド・モルトとして紹介されていたのですが、蒸留所があまりにも多くなったため、別のエリアとして認識されるようになりました。
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ハイランド地方東部のスペイ川
出展:wikipedia
以下は、スペイサイドで造られているウイスキーです。
スペイサイド・モルトといえば、マッカランやグレンフィディックを作っているエリアとして、世界的に有名です。
華やかでいてフルーティーで、クセも強くなく、万人に受け入れられやすい味わいが多いです。
そのため、初心者の方とも相性がいいので、スコッチウイスキーを飲み慣れていない方は、スペイサイド・モルトから始めるのがオススメです。
また、スペイサイドは、ウイスキー作りにはもってこいの環境だという特長があります。
ハイランド(スペイサイドはハイランドの中にあります)には、グランピアンズという険しい山脈があり、そこからウイスキーづくりに欠かせない良質な湧き水を手に入れることができます。
さらには、スペイサイドのエリアは寒く湿った土地であり、ウイスキーを保管するのにうってつけです。
気温が高く乾燥した地域の場合、保管しているウイスキーが多く蒸発してしまい、熟成するスピードが理想より早くなってしまいます。
しかし、寒く湿気のあるスペイサイドのエリアは、ウイスキー(ウイスキー樽)を乾燥から守り、芳醇な香りと、フルーティーな味わいを作り出してくれるのです。
【産地3】アイラ・モルト
スコットランドの西、ヘブリディーズ諸島の一番南にあるアイラ島。
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アイラ島の衛星写真。右上にあるジュラ島とは700m程度しか慣れていない
出展:wikipedia
アイラは英語で書くと「ISLAY」になります。
ラフロイグやボウモア、アードベッグなどが有名で、燻製のような重厚感があるスモーキーな香りが特長的です。
島で作られるウイスキーならではの潮やスモーキーさ、薬品のようなヨード臭など、その個性は他のウイスキーにはないほど突出したもので、好き嫌いは大きく分かれますが、全世界に熱狂的なファンがいるほどの人気があります。
この個性はウイスキー界に新しい風を巻き起こし、ピート香、ヨード香と呼ばれるスモーキーさとともに、シングルモルトを有名にする立役者となりました。
【産地4】キャンベルタウン・モルト
スコットランドのキンタイア半島先端にある「キャンベルタウン」という町で作られるシングルモルト・ウイスキーのことを、キャッベルタウン・モルトと言います。
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キンタイア半島の先端付近に位置する町。20世紀の初頭はスコッチウイスキー業界の中心地でもあった
出展:wikipedia
以下は、キャンベルタウンで造られているウイスキーです。
かつては30を超える蒸留所があったのですが、禁酒法があった時代に、アメリカに向けて質の悪いウイスキーを量産していたことから、ウイスキー文化が衰退していきました。
もちろん、現在は質の高いウイスキーを作っており、香り豊かでいて、オイリーで塩っぽい風味を持つという特長があります。
キャンベルタウンは、スプリングバンクや、キルケラン、ロングロウなどが有名です。
いずれのウイスキーも、塩の効いたナッツと香り高いキャラメルのような味わいを感じられます。
ご紹介させていただいた風味や味の特徴は、キャンベルタウンのウイスキーという大きなくくりで見たものです。
もちろん、各蒸留所にそれぞれ違いがあり、ウイスキーファンを唸らせています。
【産地5】ハイランド・モルト
スコットランド北部の広大な地域をまとめて、ハイランドと言います。
ちなみにハイランドは、1,000メートル級の山脈が連なり、山や谷が多い高地のためにハイランドと呼ばれています。
ハイランドの広大な地域には、約40もの蒸留所があります。
全体的な特長は、辛口でピート香が穏やかですが、ハイランドにも東西南北のエリアによってさまざまな特長があります。
- 東ハイランド
フルーティーな香りと、フレッシュな味わいが特長的です。
アードモアやグレンドロナックなど。 - 西ハイランド
山間の蒸留所では、レーズンやサクランボの香りがあったり、港町の蒸留所では磯の香りが特長のウイスキーがあります。
ベン・ネヴィス、オーバンなど。 - 南ハイランド
口当たりが軽めで、飲みやすいという特長があります。
アバフェルディ、エドラダワーなど。 - 北ハイランド
特長はさまざまですが、バランスが良くてキレがあるという特長があります。
グレンモーレンジ、オールドプルトニーなど。
以下は、ハイランドで造られているウイスキーです。
遠い昔1707年、イングランドとスコットランドが併合した際に、国の財源を確保するために、スコットランドに高額の酒税を課しました。
この酒税から逃れるために、スコットランドハイランドのウイスキーの造り手たちは、人目につきにくい山奥へ逃れることになります。
これが密造時代のはじまりです。
このときに手近にあったシェリー酒の酒樽にウイスキーを隠し、はじめてウイスキーに色がついたと言われています。
スコッチウイスキー造りのノウハウは、この密造時代に確立されたということですね。
※ウイスキーの密造時代についてはこちらの記事でも解説しています。
【産地6】ローランド・モルト
スコットランドでは、文化や民族が異なることから、北部と南部で分かれていました。
北部がハイランド地方、そして、南部がローランド地方です。
ちなみにその名前の通り、ハイランドが高地帯、ローランドが低地帯の地域です。
ハイランドでは、高額の酒税から逃れるため、人目のつきにくい山奥でウイスキーを造るという方法をとりました。
しかし、ローランドには大都市が多く存在し、酒税を取り締まる役人の目から逃れることは非常に困難でした。
そのため、ローランドではウイスキーの材料を変えるという手法をとりました。
大麦に比べて原価の安い穀物(トウモロコシなど)を使い、従来のウイスキーよりも安価なウイスキーを造りだしたのです。
これが、グレーンウイスキーのはじまりと言われています。
※「グレーンウイスキー」とは、トウモロコシや小麦など、穀類と麦芽を原料として発酵させ、連続蒸留器で蒸留したウイスキーを指します。
しかし、当時のグレーンウイスキーは個性や風味がなく、品質も低かったため、単体で飲まれることはほとんどなく、多くの蒸留所が閉鎖してしまいました。
ちなみに、ローランドで造られたグレーンウイスキーは、ウイスキーとして飲まれるよりも、ジンの材料として輸出されることも多かったようです。
現在では、サントリーさんが造る知多が有名ですよね。
以下は、ローランドで造られているウイスキーです。
ローランド・モルトでは蒸留を3回行っている蒸留所が多く、軽やかな風味のウイスキーが多いです。
元々、3回蒸留はアイリッシュ・ウイスキー(アイルランドやイギリスの北アイルランド地方)で盛んに行われていましたが、ローランドでは、ハイランドと差別化を図るために行われるようになったと言われています。
続いては、各産地のおすすめウイスキーを紹介していきます!
産地ごとのおすすめスコッチウイスキー15選
アイランズ・モルトのおすすめ銘柄
1.TALISKER(タリスカー) 10年
ジュラ島にある、タリスカー蒸留所で作られている「タリスカー 10年」。
香りは、潮のような湿気を感じることができます。
味わいは、フレッシュでありつつも、どこかスパイシーさを楽しめます。
甘くスモーキーでいて、アルコールのいやらしさはほとんど感じません。
余韻は長めです。
ストレートでも飲める重厚感がありますし、ロックで冷やしてもキリッと飲める顔を持っています。
水伸びがとても良いため、水割りからハイボールまで万能に楽しめる1本です。
2.JURA SUPERSTITION(ジュラ スーパースティション)
スモーキーで有名なウイスキー蒸留所が集まるアイラ島。
その隣にあるジュラ島に、ひとつだけ存在するウイスキー蒸留所で製造されています。
スーパースティションとは直訳すると「迷信」という意味になります。
「5月より前にピートを切り出してはいけない」「干し草の山はいつも時計回りの方向で建てていく」といったような、さまざまな迷信に基づいて造られていることから、名づけられたそうですよ。
香りは、少しメンソールを思わせる、薬品感ただようピートが特徴的。
どっしりとした重厚感のある味わいで、舌触りに粘性を感じます。
複雑味はあまりなく、甘みと苦味が調和されたバランスの良い仕上がり。
スコッチらしくスモーキーさと甘みを存分に感じることができるので、これぞスコッチという味わいを楽しみたい人にオススメです。
若干癖があるので好みは分かれますが、飲み慣れれば常飲したくなる美味しさがありますよ。
飲み方はJURA(特有)の味わいをダイレクトに楽しめる、ストレート、ロックがおすすめですが、芯がある味わいなので、割っても楽しめる1本です。
3.SCAPA(スキャパ スキレン)
オークニー諸島に位置する、スキャパ蒸溜所にて作られてる「スキャパ スキレン」。
ノルウェー語で”スキャパ”はボートを意味し、スキレンは”輝き”もしくは”明るい空”を意味します。
オークニー諸島の、美しい海や、青い空が由来になっているそうです。
香りはとても華やかでいて、程よいスモーク感を楽しめます。
個性が強いウイスキーというわけではないのですが、奥行きのある甘みや、クリーミーな口当たり、そしてフレッシュな後味など。
ゆっくりと味わえば味わうほど、その完成された複雑味をバランス良く楽しむことができます。
スコッチウイスキーの中では、比較的飲みやすいウイスキーに分類されるので、スコッチウイスキーを飲み慣れていない方にもオススメです。
ストレートでも、もちろん美味しくいただけますが、加水をするとより風味が際立ちますので、水割りやハイボールもオススメです。
スペイサイド・モルトのおすすめ銘柄
4.ベンリアック12年 シェリーウッド
ノンピートの大麦麦芽と、ピートを使用した大麦麦芽の2つのタイプのシングルモルトを製造している、ベンリアック蒸留所が作ったウイスキーです。
シェリー樽で熟成させた原酒に、オロロソやペドロヒメネスの樽でフィニッシュさせた原酒をヴァッティング(モルト原酒同士を合わせること)することによって、華やかでいて芳醇な甘みと、フルーティーな味わいを楽しめることができる1本です。
香りは紅茶を想わせ、とことん華やかです。
スモーキーさはほとんどく、さっぱりと飲める口当たりで、レーズンやキャラメルの風味がキレの良い余韻の中で感じられます。
芯がしっかりしているため、冷やして加水をしても、味わいのバランスが崩れることがありません。
そのため、キリッと冷やしたロックや、水割りで飲むのがオススメです。
5.THE MACALLAN 12年(ザ・マッカラン)
シングルモルトのロールスロイスと言われている、ザ・マッカラン蒸溜所が作り出したウイスキーです。
ザ・マッカラン蒸留所が設立されたのは1824年。
ウイスキーは元々密造されてきたという歴史がありますが、そんな中、ザ・マッカラン蒸留所は正式にライセンスを取得し、ハイランド地方で2番目の政府登録蒸留所となった名門蒸留所としても有名です。
香りは、樽と木いちごの酸味を思わせ、味わいはメープルシロップのような強い甘みと粘性があります。
余韻は長めで心地よく、カラメルソースやキャラメル、コーヒーなどの苦味がフワっと感じられます。
クセもないので、初心者の方も上級者の方も楽しむことができる、オールマイティな1本です。
おすすめの飲み方は、ザ・マッカランの旨味をダイレクトに感じることができる、ストレート、ロック、ハーフロックです。
シングルモルトのロールスロイスと言われる味わいを、ぜひご堪能ください。
6.The Glenlivet 12年(ザ・グレンリベット)
スペイサイド・モルトを代表する、シングルモルトウイスキー。
それがグレンリベット蒸留所が作る、ザ・グレンリベットです。
世界で一番売れているシングルモルトウイスキーで、「すべてのシングルモルトはここから始まった」というキャッチコピーが有名です。
はちみつのような香りの中に、干しぶどうが隠れていて、アルコールのツンとくるような刺々しさが全くと言っていいほどありません。
ある意味では特長がないとも言えますし、裏を返せば完成されたウイスキーとも言えます。
口当たりも柔らかく、華やかでいてキレのいい甘みがあります。
程よい粘性を感じることができ、後味にはほんのりと苦味が見え隠れします。
まさに理想のバランスを形にしたウイスキーで、甘すぎず、苦すぎず、ドライすぎない。
といった、味わいを見事に表現しています。
ストレートはもちろんのこと、ロック、水割り、ハイボールと、全ての飲み方を、それぞれ違った味で楽しむことができます。
個人的には、さっぱりと楽しめる水割りがオススメです。
アイラ・モルトのおすすめ銘柄
7.LAGAVULIN(ラガヴーリン)16年
アイラ島南岸のラガヴーリン湾に面した地にある、ラガヴーリン蒸留所で作られているウイスキー。
あくまでも私の個人的な感想ですが、スモーキーで有名なラフロイグがトランプのキングだとすると、ラガヴーリンはクイーンのイメージになります。
奥深いスモーキーな味わいと香りは両者に共通しますが、ラフロイグはより男性的な力強い味わいで、ラガヴーリンは女性的な凛とした味わいが特長的です。
口当たりは柔らかさとシャープ感を両方楽しめる複雑さがあります。
ほのかに甘いスモーク感、そして薬品のようなクセになる味わいが上品にまとまっていて、新しいアイラ・モルトの魅力に出会うことができます。
芯が強いウイスキーですので、加水しても味をぼやけさせずに飲むことができます。
しかし、ここはやはり、ストレート、もしくはロックでガツンと楽しみたいところです。
8.LAPHROAIG(ラフロイグ)10年
ラフロイグ蒸溜所が世に送り出した、アイラの個性を暴風雨のように激しく感じることができる一本。
まるで正露丸のような強烈なピート香が特長的です。
なめらかで強い粘性がありながら、舌先に潮気を感じさせてくれ、スモーキーな旨味が口のなかで爆発します。
個性は強烈ですが、実はハードというよりはマイルドな味わいです。
角がない味わいで、アイラ・モルトの個性をしっかりと感じながら、長い余韻を楽しむことができます。
旨味が強いウイスキーですので、ストレートからハイボールまで幅広く楽しめます。
とくにハイボールは、いつもと違う個性豊かな味わいになりますよ。
9.CAOLILA 12年(カリラ)
スコットランドの西海岸で最も美しい場所と言われる、アイラ島とジュラ島を分ける海峡周辺地にある、カリラ蒸留所で作られた1本。
ラフロイグとラガヴーリンの中間に位置するような、とてもバランスのいい辛口ウイスキーです。
アイラ・モルトの中では最大の生産量を誇り、ウイスキー好きの人たちからも評価が高いです。
ちなみにカリラという名前は、「アイラの海峡」(CAOLが海峡、ILAがアイラ島)という意味です。
クセのあるアイラ・モルトの中でも、比較的飲みやすい部類に分類されます。
口当たりもトゲトゲしさはなく、そして甘すぎない。
後味はドライで、心地よさがあります。
ヨードの香りを爽やかに感じつつ、さっぱりとした飲み味の中に、程よいスモーキーさを見つけることができます。
たまに飲みたい個性的なウイスキーではなく、いつも飲みたい個性的なウイスキーという印象です。
ドライなカリラだからこそ、キリっと冷やしてロック、もしくはハーフロックで飲むのがオススメです。
もちろん他の割物でも美味しくいただけますよ。
キャンベルタウン・モルトのおすすめ銘柄
10.KILKERRAN(キルケラン)12年
グレンガイル蒸留所で作られたシングルモルトウイスキー。
キルケランを作る、グレンガイル蒸留所にはちょっと面白い歴史があります。
グレンガイル蒸留所は古い歴史があり、創業は1872年。
スプリングバンク蒸留所を経営するミッチェル一族の一人、ウイリアム・ミッチェルが、スプリングバンク蒸留所の400メートル先でグレンガイル蒸留所を創業しました。
この創業に至った理由が面白いのですが、実は、昔農場で飼っていた羊を巡って兄弟喧嘩をしたことがきっかけなのです。
※この喧嘩がきっかけで共同経営者だった、ジョンと関係を断っています。
その後歴史は流れ、グレンガイル蒸留所は一度閉鎖をするも、スプリングバンク蒸留所が蒸留所跡を買取り復興するなど、なかなか語り尽くせないほどの歴史があります。
そんなキルケランの味わいですが、香りはフレッシュでありつつも、どこかまとわりつくような粘性も感じます。
口当たりはオイリーでいて、塩気を感じ、軽いウッド感を楽しめます。
後味は爽やかで、終わりにチーズの風味が残ります。
軽やかなウイスキーですので、キリっと冷やして飲むのがオススメです。
ロックや水割りでも美味しくいただけますし、ハイボールにすると、より爽やかな味わいを楽しめます。
11.SPRINGBANK(スプリングバンク)10年
「モルトの香水」といわれるスプリングバンク。
スプリングバンク蒸留所が手掛けるシングルモルトウイスキーで、ウイスキー通の方たちからも評価の高い1本です。
香りにアルコール感はほとんどなく、どこかにチーズを感じます。
味わいは華やかでリッチ感があり、草原を思わせるような印象もあります。
後味はなめらかで、スッと消えていくと思えば、舌に優しい甘さが残ります。
華やかでクセがない味わいなので、万人に愛してもらえるウイスキーと言えます。
華やかなウイスキーを試したい方にオススメです。
スプリングバンクの特長である華やかさは、加水をするとさらに強くなります。
ただ、水割りやハイボールにするとやや香りがボケてしまうかもしれません。
そのため、ロック、ハーフロックでじっくりと楽しむのがオススメです。
ハイランド・モルトのおすすめ銘柄
12.ROYAL BRACKLA(ロイヤルブラックラ)12年
世界で最も古い蒸留所のひとつと言われる、ロイヤルブラックラ蒸留所が造るシングルモルトウイスキーです。
1833年に、スコッチウイスキーとして初めて英国王ウイリアム4世治世下、英国室御用達となりました。
それ以降は、スコッチウイスキーの品質の基準とも言える存在になり、その名を知らしめます。
ロイヤルの名がつくスコッチウイスキーは、ロイヤルブラックラ以外には、ロイヤル・ロッホナガとグレンユーリー・ロイヤルしかなく、その価値の高さがうかがえます。
香りはフルーティーでいて豊潤です。
トロピカルな果実の香りを感じられ、奥にはちみつが顔を覗かせます。
長い余韻が楽しめる味わいで、バニラ、チョコレートのような深みがありつつも、甘すぎない心地よさがあります。
角のない味わいと奥深さ、そしてクドすぎないという、非常にまとまりのある1本です。
ロイヤルブラックラの豊潤さをダイレクトに楽しめる、ストレート、ロック、ハーフロックで飲むのがオススメです。
13.GLENMORANGIE(グレンモーレンジ)10年
「樽のパイオニア」とも言われ、一度熟成した原酒を、シェリー樽やポート樽などのワイン樽に詰め替えて、さらに熟成をさせるという技術で作られた1本です。
さらには「完璧すぎるウイスキー」とも言われていて、その完成度の高さで有名です。
グレンモーレンジ蒸留所では、スコットランドで最も背の高い蒸留器(ポットスチル)を使用していて、なんとその高さは、大人のキリンと同じ高さだそうです。
※蒸留器の高さは5.14メートル
爽やかでフローラルでいて、奥に柑橘系の甘い香りがあり、とても心地がいいです。
口当たりはまろやかで、やや甘めでありながら、すっきりと飲むことができます。
スモーキー感のないウイスキーを求めているのであれば、まさにピッタリな1本です。
おすすめの飲み方は、ストレートやロックです。
ダイレクトに完成度の高い味わいを楽しむことができます。
ちなみにハイボールにしても、一味違うグレンモーレンジの顔を見ることができますよ。
ローランド・モルトのおすすめ銘柄
14.GLENKINCHIE(グレンキンチー)12年
ローランド地方に現存する数少ない蒸留所、グレンキンチー蒸留所で造られたウイスキーです。
スコットランドの大都市エジンバラを代表するウイスキーで、スコットランド最大級の銅製ポットスチルや、鋳鉄製のワームタブを使用するなど、古き伝統は今も受け継がれています。
スモーキーなウイスキーではないものの、とても個性豊かなウイスキーです。
甘いカフェオレのような香りが感じられ、奥にブドウが顔をのぞかせます。
非常にクリーミーな口当たりで、まるでミルクのような印象を受けます。
味わいはビスケットやクッキーのような甘さがあり、味のインパクトが強いです。
余韻は長めですが、後味はドライで、複雑に仕上げられた1本です。
味がしっかりしたウイスキーなので、ストレートはもちろん、加水をしても楽しめます。
ハイボールにすると、甘さが相まってとても美味しいですよ。
15.AUCHENTOSHAN(オーヘントッシャン)12年
オーヘントッシャン蒸留所で造られる、グレンキンチーやブラドノックと同じ、数少ないローランドで造られるウイスキーのひとつです。
ちなみに現在は、日本のサントリーさんが買収し、所有している蒸留所です。
※1984年にモリソン・ボウモア社から買収。
香りはかなりライトな分類に入ります。
シトラスとナッツの香りが複雑に調和されていて、爽やかさがあります。
口当たりはとても軽快でいながらも滑らか。
クリアな味わいのなかに、オレンジやライムの甘さがぎゅっとつまっています。
後味もドライに仕上げられてますので、さっぱりと飲みたいときに最適です。
軽快で爽やかなウイスキーなので、キリッと冷やして飲むのがオススメ。
加水をしても美味しくいただけますよ。
スコッチウイスキーは本当に奥が深いですよね。
だからこそ、歴史を感じながら、今日も一杯いただきたいと思います(^w^)v